「ノコギリ道路研究会」についての御案内をいただきました

 今年のお正月に大阪土地家屋調査士会の垣内俊一先生から上のCD-ROMを頂戴しました。垣内先生には昨年の9月に滋賀県土地家屋調査士会の研修会にお越しいただき、貴重なお話をしていただいたのですが、その時以来の御縁です。

 大阪土地家屋調査士会三島支部ではこれまでも熱心に「寺子屋THE三島」として学習や調査活動をされてきていますが、現在は特に道路に対して宅地がギザギザになっている「ノコギリ道路」について関心を寄せられているようです。そういえば昨年先生の事務所を伺った際も熱心にノコギリ道路について御説明していただきました。今回はその一環での中間報告的なものとして、資料をお送りいただいたといったところです。折角ですので、下記に垣内先生からのご案内を転載させていただきます。

 

ノコギリ道路研究会について

 

 小職は、大阪会の三島地区で寺子屋の世話人をさせてもらっています垣内です。長浜城下で忍びの隠れ場所であると書かれた看板に惹かれ、ノコギリ状の道路を調査しております。城下町・街道にも興味があり調査をしておりますが、軍事上の関係であるとか。条里制の関係であるとか。色々説があるようです。そこで皆様のご意見とお知恵を拝見いたしたく、この様な研究会を立ち上げました。何カ所か実例を知っていいただきたく、DVDに入れたおりますのでご覧ください。

 多くの現場で、色々な筆界を見てこられたと思います。小職も測量屋からこの世界に入りました。入会して28年になりますがほんの少ししかその地割の形態を知りません。色々教えてください。そして同時に色々勉強しましょう。

 ネットで色々会話や情報のやり取りを行いたいと思いますので、ここにそのことを書かせていただきます。何分にもITに疎いものでありますので、若手に通信のことをお願いしております。「どこで見た」とか、「古図にもノコギリ道路があったよ」とか、どんな事でも書き込んでください。そして都合がつけば皆さんで現地に行きましょう。よろしくお願いします。

 

 上は送っていただいた資料の中の写真ですが左が滋賀県長浜市、右が富山県の高岡市でのものとのことです。実は上の長浜市の北国街道の現場は地元でもありますので私も昨年簡単に調査をさせていただきました。その際に取得した資料が下記の二点です。上が和紙公図と下が地番図ですが、それぞれ法務局と市役所で簡単に入手できます。

 これをみますと現地の状況を反映した地番図では見事にノコギリ型の道路が、公図上はまっすぐになっています。定量的な面では不正確だが、一筆地の形状は比較的性格だとされている公図の常識とはかけ離れたものとなっていますね。

 

 

 また滋賀県守山市でも旧中山道の街道沿いで同じようなノコギリ型の道路形態がみられますが、こちらでは「稲妻型道路」と守山市史では表現されていましたね。こうした道路の形態は私の知っているだけでも京都や、岐阜、滋賀県大津市にもありますが、兵庫県姫路城下や三重県松阪城下、他にも佐賀や広島など全国に数多くみられるようです。(個人的には街道沿いのケースと、城下町でのケースはやや成り立ちを異にするようには感じています)

 

 垣内先生からのご案内では全国の同じような歴史的なギザギザの「ノコギリ型」の事例を収集し、場合によっては現地をフィールドワークされるとのことです。私も土地境界の成り立ちを考える上で大変興味深い地割だと思いますので機会があれば是非参加したいと思っています。

 皆さんも、いかがでしょうか?

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