里道水路の払い下げについて

 ↓ 払下げ手続き前の公図           ↓ 払下げ手続き後の公図


 

ご自宅の敷地内に昔あった里道や水路が残っていませんか?

公図(地籍図)に見覚えのない赤線や青線は入っていませんか?

里道や水路にはみ出して、建物を建築していませんか?

 

 公共用財産(里道・水路等)の中で、道路や水路としての用途及び目的を既に失っており、将来に渡っても公共の用に供する必要がない場合や土地を有効利用したいので、別に道路や水路を付け替えたい、といった場合には、道路水路等の用途を廃止し、その後に払い下げをすることができます。

「払下げ」ですので、当然有償での譲渡となります。

 

 道路や河川などの公共物のうち、道路法や河川法など管理に関する特別法の適用・準用を受けるものを法定公共物、受けないものを法定外公共物といいます。

 法定外公共物の代表的なものとして「里道」と「水路」があります。なお一般的に里道のことを「赤線」、水路のことを「青線」と表現したりしますが、これは公図上の着色が里道と水路でそれぞれ赤青の線で書き分かれていたためです。

  以前これらは国有財産でしたが、地方分権の推進を図るため、機能を有するとされる法定外公共物については原則全てが市町村に譲与され今まで県で行っていた申請等の窓口業務等は平成17年度より市町村に移っています。

 

 「里道」や「水路」は公有財産ですので、勝手に使用はできません。もちろん、そのままでは売却もできませんし、ご自宅の敷地内に残っていますと住宅ローンも組めなくなる可能性があります。

 しかし、基本的に隣接地所有者・地元の関係者の同意を得られれば、使われなくなった里道・水路は購入できます。とはいえ手続きには最低でも数か月はかかりますので早めの手続きをお勧め致します。

 

官民境界確定手続きについて

 里道水路の払下げにあたってはまずは境界確定の手続きが必要です。官民境界確定申請にあたっては、通常、土地家屋調査士に依頼して行います。

 境界確定を行う土地の範囲は、原則として法定外公共物に隣接する土地すべてとなります。また、ケースにもよりますが官民境界確定の手続きにあたっては、自治会長や隣接地所有者様の押印が必要です。

 

 実は里道水路の払下げの手続きにおいて当事務所が依頼者様から頂戴する報酬のうち、もっともウエートを占めるのが、この境界確定の手続きに関連する事項です。案件の内容や事務所によって違いはありますが、おおよそ50%から70%程度の割合になると思われます。

 境界に関する手続きは着手後一番最初にすすめていきますが、実は一連の手続きの一番の「ヤマ」といってもいいでしょう。

 ※法務局で「地図」(不動産登記法第14条第1項に規定される図面)が備え付けられている地域については境界確認の手続きはほぼ省ける可能性があります。

 

 なお、里道水路の払下げを前提としない官民境界確定だけの手続も可能です。

 

↑は官民境界確定協議に添付する現況平面図のサンプルです

用途廃止手続きについて

 里道・水路の払下げにあたっては、当然ながら現に里道水路として利用されているような場合は払下げはできません。例えば、水路の途中で、払下げの結果、水路が部分的に無くなってしまうようなことがあれば水が流れませんから、問題ですよね。

 

 里道水路(法定外公共物)の用途廃止にあたっては申請が必要ですが、上述の境界確定手続に求められる書類ともかぶるところがあり、用途廃止の同意書や面積計算書など多少の書類の+αで大丈夫ですので、現況が用途廃止して支障のない状況であれば通常は特に問題はありません。(通常は市役所などの担当課と事前に相談し、支障がないことは確認したうえで手続きをすすめます)

 隣地所有者にいただく用途廃止の同意書については、例えば滋賀県長浜市では実印までは求めていませんが、他の市町では実印を求めていたり、それに代わる書類を添付する場合があるようですね。

 

 なお、用途廃止申請・払下申請の代理は行政書士の専門分野となります。

 

払下げ手続きについて

 

 上述の用途廃止が決定後、里道・水路の払下げにあたっては、申請者から財産を管轄する市役所などに「売払申請書」を提出する必要があります。

 

「売払申請書」には、

  1. 住民票(法人の場合は商業・法人登記簿抄本及び印鑑証明書)、
  2. 利用計画書
  3. 関係図面(位置図、現況図、実測図等)
  4. 既往使用料債務確認書(財産を使用されている場合)

 その他必要と認める書類を添付して頂く必要がありますが、ご依頼いただけましたらすべて当事務所で提出書面の作成・提出代行をさせていただきます。

 

 なお、払下げ価格につきましては、周辺の取引事例や路線価などを考慮し算定されます。例えば長浜市では公平性を期すため不動産鑑定士に算定を依頼されているようです。

また、このほか所有権保存登記等にかかる登記費用(法務局に納める登録免許税等)も買受人の負担となりますのでご注意ください。

 

 また、払下げが決定し、該当先の市役所等へ指定金額をお振込いただけましたら後は、その土地の表題登記申請を土地家屋調査士が行います。

 その後、表題登記の完了を受けて、所有権保存登記を行います。なお、所有権保存登記は司法書士の専門業域となりますが、当事務所では提携する司法書士へとスムーズにお繋させていただきますのでご安心ください。

※登記を目的とした図面等の作成は土地家屋調査士の独占業務であり、測量士が行うと土地家屋調査士法違反となります。

 

 所有権保存登記が完了しましたら、登記事項証明書を取得し、お渡しさせていただきます。これを市役所等へ提出し、これでようやく、一連の手続きが全て完了します。いわゆる「自分の土地になった」ということですね。

  

法定外公共物(里道水路)払下げの大まかなながれ

 

1.ご依頼(報酬等のお見積り金額提示)

2.市役所・法務局等関係機関での調査

3.境界確定申請(官民・民民)

4. 境界立会

5.用途廃止申請(地元・隣接地所有者の同意が必要)

 6.用途廃止決定

7.払下申請

8.土地売買契約・土地代金払込

9.土地表題登記・所有権保存登記

10.手続完了(登記識別情報・測量図等の成果物のお引渡し)

 

※自治体等によって多少の差異がありますのでご注意ください

 

 繰り返しになりますが、手続きにあたっては地元自治会や、隣接地所有者の同意が条件になりますので、どうしても同意が得られない場合は用途廃止・払下げ申請はできません。残念ながら、手続きの着手後になってから近隣との折り合いがつかず、計画自体がお流れになる事例もいくつかありました。

 

 また、御依頼いただいてから、完了までの日程ですが、大よそ6ヵ月程度は最低必要で、隣地承諾などに時間を要するケースによっては年単位の時間が必要になります。

 当事務所では隣地との調整が必要となる境界確定(測量含む)から用途廃止申請・払下げ申請から最終の所有権保存登記に至るまでワンストップにてお手続きを代行させていただきます。

 また業務着手前には、ケースにもよりますが長年の経験から推定し、払下げ価格(土地代金)なども含めました手続き全体に必要なおおよそのご負担金額も算出可能です。

 

 もちろんですが、当事務所にご依頼いただく際には、事前にお見積りを発行させていただき、手続き費用と報酬は明らかにさせていただいていおりますので、費用負担の面などでのご心配もあらかじめクリアにした上で着手させていただいております。

 ご検討の方はどうぞお気軽にご相談くださいませ。

 

ご相談・ご用命は西村土地家屋調査士・行政書士事務所まで

代表者 西村和洋

土地家屋調査士(民間紛争解決手続代理認定) 行政書士 測量士 宅地建物取引士

 

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