先日来より、所有者不明土地問題でご活躍中の荒井達也弁護士(群馬弁護士会)による「Q&A 令和3年民法・不動産登記法改正の要点と実務への影響」(日本加除出版)を読んでいます。
本編はもちろんいいのですが、節目節目に配された「コラム」もなかなか興味深い内容になっています。中でも、P41「遡及適用のインパクト―過払金の次は遺産分割バブル?」はストレートに目に入ってきました。
実際にはいわゆる「バブル」とまでは言えないと思いますが、司法書士さんはこの年度末、法務局を中心とした相続登記義務化のアピールが効いたと見えてかなりの依頼増につながったようです。また、登記申請義務の履行期間が3年となっていることから、その期限が迫る3年後にも再び依頼増の波がやって来そうとのこと。ちなみに土地家屋調査士と言えば、多少ですがそのお相伴に預かったという程度でしょうか。
それにしても「バブル」ですが、土地家屋調査士とはやはり無縁のように思います。報酬が成果報酬ではなく、一つ一つの事務手続き(測量含む)の積み重ねの合算ですから、「バブル」のように実際にかかった時間以上に多く報酬をいただけるって案件はまずありません。
要は掛け算(弁護士や司法書士)と足し算(土地家屋調査士)の差なわけです。いつまでも追いつけるわけがありません。
でも、その地道さが土地家屋調査士のいいところ、と開き直ってもいますが、やっぱり土地家屋調査士も成果報酬的な要素を報酬計算でもう少し取り入れていっていいようにも思ってしまいます。そんなことも少しだけ夢想した「Q&A 令和3年民法・不動産登記法改正の要点と実務への影響」でした。購入された際には是非コラムも併せてご注目下さい。