地籍問題研究会第20回定例研究会に参加してきました

 平成29年11月11日(土)、会場は京都市内の京都産業大学むすびわざ館ホールにて、地籍問題研究会第20回定例研究会が開催されました。

 

 今回の定例研究会の全体テーマは「土地家屋調査士の地図作成に関する新しい役割を探る」で、二部構成で開催されました。14条地図作成に多くの土地家屋調査士が全国津津浦浦で参画されていますが、その全国各地での経験を交流し、今後の地図作成業務に生かしていこうという趣旨であったかと思います。

 

 まず、第一部では「土地家屋調査士による地図作成の役割」ということで、「茨木市における地図作成の土地家屋調査士の新しい役割」と題し、森光広氏(茨木市建設部建設管理課地籍調査係非常勤嘱託職員、土地家屋調査士(大阪土地家屋調査士会))よりご報告がありました。私ごとですが、大阪府茨木市のJR駅のほど近くに妹が住んでおりまして、茨木市の14条の地図作成地域には実際に何度も訪問したことがあり、なじみのある地域です。そこで森土地家屋調査士は茨木市役所の非常勤職員としてかなり主体的・主導的に地図作りに参画され、成果を挙げておられるようでした。土地家屋調査士の参画によって、正確で筆界未定地の少ない地図ができ、最終的には境界紛争の未然防止につなげておられる様子がよく分かりました。

 

 続いて「京都市における14条地図作成作業の土地家屋調査士の役割」として水野啓吾氏(京都地方法務局表示登記専門官)より報告がありました。水野登記官は長年地図作成にかかわってこられたようで、その経験をもとに法務局側からみた地図作りの意義や地図作成事業推進の困難さについて触れていただいたかと思います。なお、所有者不明地などでの新しい筆界確認手法についての提言もしていただき、大変刺激的な内容であったかと思います。

 

 

 第二部の会員報告では「地籍調査の現場から」(一土地家屋調査士の考察) 黒田憲二氏(日調連研究所研究員)、「実務上の問題点」猪飼健一氏(日調連研究所研究員)、「地積測量図と乖離した現地」 山谷正幸氏(日調連研究所長)、「阪神・淡路大震災から学んだ調査士制度と業務」 藤原光栄氏(兵庫会)以上4つの地域からのご報告がありました。特に兵庫会の藤原会員の報告ではご自身の阪神淡路大震災時のご活躍、さらには復興に向けての境界確定の困難さについての内容でしたが、大変身につまされる思いがいたしました。  

 その後、特別報告として「韓国の地籍再調査の成果及び問題点と将来の課題」申 順 浩氏(大韓民国・木浦大学校社会科学部地籍学専攻教授) 翻訳 戸田和章氏(京都会会員)の報告がありました。かつて滋賀会においても韓国での地籍行政について同様のご報告をいただいたと思いますが、韓国における土地境界に関する考え方非常に国家主導であり、地積情報に関する考え方もわが国とはまた違うものであると感じました。

 

 先にあげましたように、今回の研究会では14条地図作成に関しての土地家屋調査士としての実務上での経験のご報告とそれに基づく分析・提言が主な内容でした。ざっと取り上げていただいた地域だけでも挙げますと、大阪・京都・長野・東京・北海道・兵庫と多くの地域が網羅されており、それだけでも大変勉強になるものであったかと思います。

 また、各地で毎年のように地図作成事業の実施地域が拡大しており、受託する土地家屋調査士側にとっても大変負担感も増しているようです。やや他人事のように書きましたのは、私自身は地域柄もあって、これまで一度も14条作成事業に携わっていないからでもあるのですが、今回の研究会でお話をお聞きしたこともあり、いつかお手伝いさせていただける機会があれば、是非経験してみたいと思います。

 今回の研究会を通じ、土地家屋調査士が地図作成でその専門性・役割を十全に発揮し、社会的にも土地境界の専門家として認知されるよう、今後とも地図作成に関しては実務面での積み重ねとともに、地図作成についての研究を続けるべきであると感じた一日でした。

 

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