長浜城歴史博物館「湖北の村々の景観」見に行ってきました

 今日は、このところ毎年恒例の特別展示「湖北の村々の景観~地籍図から「鉄道のまち・長浜」を探る~」を見に、長浜城歴史博物館に行ってきました  いつのまにやら駐車場もこれまでと違ってコインパーキングに変貌していました でも豊公園一帯の工事はまだ続くようですね

 今回の展示、「地籍図」とだけいわれては興味もわかない方も、「鉄道」というキーワードを加えますと俄然興味もわく方も多いと思いますので、なかなかいいポイントをついているな、と思いました 私が企画した土地家屋調査士会の講演会なんかでも、同じような経験もありますので…

 

 なお、「地籍図」といいますが今回の展示品は原図か写しかはさておき、壬申地券地引絵図地租改正地引絵図のどちらかです 大まかに言って作成時期が明治6年ごろのものが壬申地券地引絵図、明治9年ごろのものが地租改正地引絵図で、時期的に鉄道が引かれたのはそのあとなのですが、紙を貼って地図上でも対応しているさまがよく分かります また、参考までに両者の見分け方のポイントですが、地番が現在のものと同じものが記入されていたら地租改正地引絵図、地番が現在のものとずれているのが壬申地券地引絵図で、反別(面積)が一筆一筆記入されているのが壬申地券地引絵図です

 

 特に長浜市内を東西に走る通称「馬車道」についてはもともと鉄道であったことを知る方は少なくないかもしれませんが、その痕跡を地籍図で丹念に迫っておられました そういえば、長浜関ヶ原間の鉄道は比較的早くに廃止されたあと、その廃線跡を生かして馬車路線があったから馬車道、なのでした 私は馬車って実際には見たことないのですが豊公園などで馬車を走らせると観光客に意外と受けるかもしれませんね

 

 また下記の資料目録にはないのですが、会場では旧湖北町の山脇地区の地籍図には「明治6年地券取調総絵図・明治21年地押調査に付訂正ス」の文字が入っていました 他にも、同じく三階の別会場で展示されていました長浜市石田町の地籍図に見る「治部」小字地名等が印象深かったです

  

下記は長浜城歴史博物館の案内文です

まだ展示期間はありますので、ぜひ足をお運びください

目録以外の展示地籍図もありますよ

 

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 明治初年、明治新政府は江戸時代から続いていた土地制度を廃し、個人の土地所有を認め、地券を発行しました。このとき、土地の実地調査のために作られたのが地籍図です。

 地籍図は、近年のほ場整備や宅地開発が行われる以前の景観を写しており、景観の復元に役立つことから注目されています。

 さて、明治時代の長浜は「殖産興業」の流れに乗って県下初の国立銀行の設立・鉄道の敷設など、急速に近代化の波が押し寄せていました。中でも明治15年(1882)に敦賀~長浜間の鉄道が開通(柳ヶ瀬トンネル部分を除く)したことは、長浜を中心に鉄道網が広がりをみせる先がけとなりました。

 今回の展覧会では、「鉄道」に注目します。地籍図から長浜の発展に大きく関わった鉄道線路を追うことで、「鉄道のまち・長浜」の姿を探ります。

  

□ 主催 長浜市長浜城歴史博物館

□ 会期 平成29年6月3日(土曜日)から平成29年7月23日(日曜日)

□ 会場 長浜市長浜城歴史博物館3階展示室

□ 開館時間 午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)

□ 入館料 個人一般  400円   小・中学生 200円

 

展示資料目録

 

1. 日の出軒引き札 1枚 明治時代 本館蔵    

2. 近江国農商工便覧 1冊 近江国農商工便覧 本館蔵

3. 今市村地籍図 1枚 明治時代 長浜市蔵

4. 高月村地籍図 1枚 明治18年(1885) 高月観音の里歴史民俗資料館蔵

5. 列見村地籍図 1枚 明治6年(1873) 本館蔵

6. 十里村地籍図 1枚 明治6年(1873) 本館蔵

7. 近江国坂田郡長浜地引全図 1枚 明治時代(前期) 本館蔵(中村ヨシ氏寄贈)

8. 滋賀県坂田郡長浜北船町地図 1冊 明治21年(1888) 本館蔵

9. 八幡中山村地籍図 1枚 明治7年(1874) 本館蔵

10. 乾村・巽村(現・山階町)地籍図 1枚 明治6年(1873) 本館蔵

 

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