2022年

9月

23日

訃報に接す

この地図は、時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」((C)谷 謙二)により作成したものです。

 

 ご存じの方も多いと思うのですが、埼玉大学の谷謙二教授の訃報を知り、びっくりしています。個人的には正直なところ特に接点はないのですが、先生の作成された今昔マップをしばしば利用させていただいていたとか、学会で研究報告をされているところを教室でお聞きさせていただいたとか、その程度です。それでも1971年のお生まれ、同年代ということもあってショッキングなニュースでした。

 

 幸いなことにこのところ、私の周りではあまり訃報を聞かないのですが、改めてもう若くないのだなあ、とも実感しました。

 

 先生のご冥福をお祈りいたします。そして、勝手ながら今後とも今昔マップはありがたくご利用させていただきます。

 

2022年

4月

27日

京都大学総合博物館特別展「埋もれた古道を探る」に行ってきました

 

 今日は朝から京都大学総合博物館にて開催中の特別展「埋もれた古道を探る」を見に行ってきました。同館のサイトによりますと「志賀越道、山中越などとも呼称される白川道は幕末以降、尾張藩吉田邸ならびに第三髙等中学校(現・京都大学吉田キャンパス本部構内)の設置により、一部が寸断されて今に至っています」とあります。

 

 そういえば河原町通りの「荒神口」っていったいどこが「口」なのか、と何十年も前から疑問に感じていましたが、白川通から京都に入る際の口なのですね。よくみれば一部が京都大学キャンパスに埋もれて見えないだけで実のところ今もわかりやすい形状を保っています。

 

 京都大学総合博物館自体も今回初めて足を踏み入れましたが、建物(展示もかな)少々古くはなってきていますが、さすがは京都大学らしいアカデミックな雰囲気が漂っていました。

 

2022年

3月

06日

古文書を「みを(miwo)- AIくずし字認識アプリ」で読む

 

 なんだかんだで十年近く古文書(くずし字)と格闘しています。月に一度参加している古文書教室では主に地元に伝わる文書、具体的には水利のことや大工組のこと、相論や人別帳などの一次資料を読むことで、より詳細な地域史を勉強させてもらっています。

 

 ただこれだけの期間、くずし字と関わっていてもだらだらとやっているせいか、正直なところなかなか上達していっているという実感もなく、実際に文書がスラスラ読めるような状況ではありません。

 

 そんなおり、昨年「みを(miwo)- AIくずし字認識アプリ」が開発されたことをしり、ダウンロードしてみました。古文書をAI(人工知能)で解読するなんて、まさに文明の利器の活用ですが、早速教室で配布された資料の解読に活用させてもらっています。

 上の写真はくずし字認識結果の文字表示/書籍画像との比較スライダーですが、おおよそ5~6割があっているかな、といったところです。まだまだ人間にはかなわないようですが、初学者と比較すればこのレベルでも大したものかとは思います。

 

 土地家屋調査士業務では境界に関わる資料を読む際、くずし字にぶちあたるケースもあると思うのですが、蕁麻疹が出るくらい、苦手な方も多いと思われます。このアプリは無料で使用できますので、まずはこうした最新技術を活用されることも有用であると思います。

 

2022年

1月

10日

荒木田岳「村の日本近代史」(ちくま新書)を読む

 

 本書は気鋭の歴史学者による、我が国の「村」の構造を土地について焦点を当て、土地と人との関係性について明らかにした一冊です。歴史学的見地からの本ではありますが見開き以降には村絵図が三点続けて掲載されており、結構地理学っぽい感じでまとめられている点も特徴です。

 

 なお、のっけからですが土地家屋調査士にとってありがたいことに土地家屋調査士も登場します。具体的には本書P191に「関係者立ち会いによる境界確認は、言葉としては単純だが、実際には大変な作業である。現在も土地家屋調査士が土地の測量をする際に、隣接地権者全員の立ち会いと確認印を要する」と紹介されているわけですが、さすがに歴史学者の本に土地家屋調査士を紹介いただくとは意外といっては何ですが、少々びっくりしました。

 

 また、P201から「更正図をもとに作られた『地図に準ずる図面』とマイラー図」として公図(地図に準ずる図面)について紹介いただいております。地図に準ずる図面については不動産登記法上にも定義がなされていますのでともかくとして、マイラー図については実務家にとっては業務上重要でしたし、その存在は常識ですが、研究者からその言葉を聞けるとはこれまた意外でした。

 マイラー地図再製事業は私の誕生年と同じ昭和47年から予算措置が取られましたので約50年ほど前から開始され、経年劣化等で傷んだ公図(旧土地台帳附属地図)が全国で徐々に置き換わっていきました。最近では公図の電子化に伴ってそれほど頻繁にみる機会はありませんが、1980~2010年あたりは実務上はマイラー図全盛?時代でしたね。そうしたことで今となってはマイラー図も歴史の1ページとなりつつあります。それでも、最近登録された土地家屋調査士にとってはわかりませんが、私にとってはマイラー図=公図ともいっていいくらい、馴染みのある図面です。なお、その余波として旧土地台帳附属地図を表す「和紙公図」がポリエステルフィルムで作成された「マイラー図」と対になるものとして、名称としては誕生しています。

 

 なんだか本書の内容と少しずれてしまいましたが、地租改正以降の土地の実態把握とは、現代でいうところの税務調査なんでしょうね。脱税(節税も含む)の方策として、いかにして自分の土地を役所の台帳から外すかに知恵を絞ってきた、そしてその水漏れ分を民衆の一番近いところで捕捉するのが「村」の役割であったというのが本書の主張の帰結するところなのかな、と感じました。

 

 細かいところを指摘すれば、不動産登記に関する用語がちょっとばかり不安定であったり、正直気になるところはあります。どうせなら、ここまでくれば著書には土地家屋調査士にもっと関わっていただければより良い内容となったとは思いますが、大変な力作であることは間違いないと思います。特に全国の土地家屋調査士の方々には是非一度手に取っていただきただきたい一冊と思いました。

 

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